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【2024年10月15日(火)】Moshe Bar教授(バル-イラン大学) の講演会を開催します

2024/10/1

2024年10月15日(火)にMoshe Bar教授(バル-イラン大学) の講演会を開催します。

 

Moshe Bar教授(バル-イラン大学)は、国際的に著名な認知神経科学者であり、その斬新な研究成果は知覚、認知、精神医学の課題の理解において、革新的な貢献をもたらしました。21世紀科学イニシアティブ賞(マクドネル財団)、ヘブ賞(国際神経ネットワーク学会)など、多くの賞を受賞しています。南カリフォルニア大学でPh.D.を取得後、ハーバード大学医学大学院およびマサチューセッツ総合病院の放射線科、同精神医学科を経て、現在はバル-イラン大学のゴンダ学際脳研究センターで、認知神経科学研究室長を務めています。代表的な研究成果をまとめた著書”Mind Wandering”(2022)の邦訳書が2023年12月に出版されました。

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Overarching States of Mind(包括的な心の状態)

 

講演者:Professor Moshe Bar (Bar-Ilan University)
日時:2024年10月15日(火)
15:00~16:30
場所:京都大学稲盛財団記念館3F大会議室, https://ifohs.kyoto-u.ac.jp/access/
後援:京都大学 人と社会の未来研究院

 

Abstract
Implicitly, we think of our brain and mind as fixed: always with the
same inclinations, biases, strengths and weaknesses. But the human
mind is dynamic and seamlessly changing between different states
depending on circumstances. We propose that these states of mind are
holistic in that they exert all-encompassing and coordinated effects
simultaneously on our perception, cognition, thought, affect and
action. Given the apparent breadth of their reach, being able to
explain how states of mind operate is essential. We provide a
framework for the concept of state of mind (SoM). From this framework,
we derive several unique hypotheses, and propose an underlying
mechanism whereby SoM is determined by the balance between top-down
and bottom-up cortical processing. This novel framework opens new
directions for understanding the human mind, and bears widespread
implications for mental health.

 

アブストラクト(訳)
私たちは暗黙のうちに、自分の脳や心は固定されたもの、つまり常に同じ傾向、バイアス、強み、弱みを持っていると考えている。しかし、人間の心はダイナミックであり、状況に応じてさまざまな状態の間をシームレスに変化する。私たちは、このような心の状態は、知覚、認知、思考、感情、行動に同時に包括的かつ協調的な影響を及ぼすという意味で、全体的なものであると提唱している。このような心の状態の明らかな広がりを考えると、心の状態がどのように作用するかを説明することが不可欠である。我々は心の状態(SoM)という概念の枠組みを提供する。この枠組みからいくつかのユニークな仮説を導き出し、SoMがトップダウンとボトムアップの皮質処理のバランスによって決定されるという根本的なメカニズムを提案する。この新しい枠組みは、人間の心を理解するための新たな方向性を開くものであり、メンタルヘルスに広く影響を与えるものである。