心理学系 大学院

人間社会論

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人間はその誕生から死に至るまで、歴史的、社会的、文化的存在として周囲の人たちと共に生きる。この観点に立って、人間形成の過程にはどのような共生の可能性とその困難があるか、個人の社会的行動に対して集団や社会や文化はどのような影響を及ぼしているか、人間の芸術活動は歴史や社会や文化によってどのように規定されているかといった点から教育研究を行います。

認知・行動科学

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認識、思考、意識、感情、学習、記憶、運動などの精神的・身体的機能のメカニズムを認知科学的、神経科学的、生命科学的手法によって、明らかにします。また、精神的・身体的機能が環境によってどのように規定され、どのように発育、成長、老化するか、またこれらの機能を健康に保つにはどのようにすべきかを解明しつつ、身体性に立脚した人間学の確立をめざす教育研究を行います。

心理学

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心の働きに関する基礎的研究を進めています。主として知覚、認知、学習、記憶、思考、意識、社会的知性、ならびにその進化と発達過程について、ヒトだけではなく動物をも対象として、認知科学的方法や、神経科学、進化生物学、情報科学などとも関わる多様な実験手法を用いて研究し、教育しています。本専修は基礎心理学、実験心理学および基礎行動学の3分野で構成され、各分野は相互に密接な連携をもちながら、大学院教育にあたっています。修士課程は心理学の基礎的な分野について専門的理解を進め、博士後期課程ではさらに専門的研究を深め博士論文の作成をめざします。大学院生は学際的視野から神経科学、生物科学や言語学など関連分野にも幅広い関心をもち、それぞれの問題に深く切り込むことが求められます。

教育方法学・発達科学コース

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本コースは、教育方法と発達科学の二つの分野から成っています。両分野とも、フィールドでの実践を重視している点が特徴です。 教育方法分野は、就学前から高等教育に亘る教育過程のカリキュラムや指導方法、教育評価に関する理論構築を目指しています。発達科学分野は、人間の行動と脳の両面を視野に入れた発達科学、神経科学のアプローチを主軸として、胎児期から老年期にわたる生涯発達、生涯発達に影響を与える遺伝的・環境的要因の影響の検討、その定型−非定型性にかんする実証的検討、およびそのモデルの構築をめざしています。基礎研究の知見を生かし、科学的根拠に基づく新たな人間発達・教育支援法を世界に提言する役割を担っている分野です。

教育認知心理学コース

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認知心理学の主要な課題は、種々の心のはたらきを実証的な手段を用いて解明してゆくことにあります。本コースでは、教育に関わる心理的諸現象を認知心理学・生命科学(脳科学・遺伝学)などの方法を用いて幅広く研究しています。特に、子どもの認知発達・教授−学習に関する研究、記憶・感情・思考・言語・知識獲得・社会的認知などに関する研究、顔・表情の認識など対人理解やコミュニケーションに関する基礎研究を行っています。また、リーディング大学院「デザイン学大学院連携プログラム」においても認知心理学、心理データ解析関連の科目を開講しています。

臨床心理学コース

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複雑さを増す現代社会において、さまざまな問題や悩みをもつ人が増えてきて、人々が心理療法を求めることも多くなっています。本コースでは心理的な見立てや心理療法を実施するための教育・訓練が様々な実習も含めて、基礎から行われています。それと同時に、多様な心理的問題の背景を考え、心理療法の技法を発展させるための実証的・理論的な研究を進めています。また、教育学研究科附属臨床教育実践研究センター・心理教育相談室における相談活動を基礎として心理臨床経験全般を高め、相談能力をつける教育・訓練を行っています。さらに、臨床心理実践に関する研究を行い、教育現場等とも連帯して臨床実践と研究の一体化を図っています。また、心理臨床現場に赴いて相談を必要とする人たちの心の健康の増進を目指すとともに、現場に役立つ研究を行ったり、教師や臨床心理士のリカレント教育、臨床心理士を育成するためのスタッフ(教員やスーパーバイザー)の養成を行っています。

情報学研究科 知能情報学、社会情報学
知能情報学社会情報学

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知能情報学は、生体、特に人間が行う情報処理を、情報学という切り口に加えて、心理学、脳神経科学、計算機科学、人工知能などの研究手法を用いて解明するとともに、その成果のさまざまな分野への応用を目指す学問領域です。脳、認知、心理といった人間の情報処理の基盤から、画像・音声・言語というメディア、 さらには、インターラクションやコミュニケーションといった人間の高次の情報処理に至るまで、人間と情報との関わりを幅広く扱います。情報に着目し、人間の認知や行動の本質の解明とその社会への還元を目指している点が本専攻の特色でもあります。情報系の学部出身者のみならず、心理学や脳科学、認知科学など幅広い分野の出身者を対象とした入試問題やカリキュラムを備えています。社会情報学は、複雑な情報化社会について、人間や社会の側から研究する領域です。心理系の教員は防災分野に所属しており、東日本大震災後ますます重要性を増している災害心理、防災教育の研究を進めています。所属学生の出身学部が人文理工系すべてにわたる、非常に学際的で魅力的な研究領域です。

霊長類学・野生動物系

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理学研究科・生物科学専攻の霊長類学・野生動物系は、霊長類研究所および野生動物研究センター内に置かれる12分科によって構成されています。霊長類研究所は、1967年に発足したヒトを含む霊長類をさまざまな観点から多様な手法を用いて総合的に研究する国内唯一の研究教育機関です。また、野生動物研究センターは、野生動物に関する教育研究を行い、地球社会の調和ある共存に貢献することを目指して、2008年に発足しました。各分科の研究領域は、分子生物学から生態学まで多岐に渡りますが、そのうち複数の分科で比較認知科学などの研究・教育を行っています。また、リーディング大学院「霊長類学・ワイルドライフサイエンス」においても比較認知科学実習や動物福祉実習を開講しています。