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【2025年6月23日】小林穂波先生をお招きし、セミナーを開催します

2025/6/3

関西学院大学で探索行動を研究している小林穂波先生をお招きし、下記の内容にてセミナーを開催いたします。

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探索としての認知:視覚採餌課題を手がかりに心のはたらきを捉え直す

 

日時:2025年6月23日(月)16:30-18:00
場所:京都大学稲盛財団記念館 3階 中会議室
講師:小林穂波 先生(関西学院大学・文学部 特別任用助教)
講演名:探索としての認知:視覚採餌課題を手がかりに心のはたらきを捉え直す

要旨:微生物からヒトに至るまで、あらゆる生物は、環境中に存在するアフォーダンスや、食料・配偶者・安全な場所などの資源を探索しながら生きている。こうした探索行動を可能にする感覚器官や身体構造は、環境との相互作用の中で進化してきた。つまり、探索とは単なる内部的な情報処理ではなく、身体を通じて環境に関わり、行動を調整していく能動的かつ相互的なプロセスである。本セミナーでは、発表者がこれまで行ってきた視覚探索に関する実験心理学的研究を紹介し、環境の構造や経験の変化に応じて探索行動がどのように柔軟に変化するのかを検討する。そのうえで、視覚情報の探索を、受動的な入力処理ではなく、環境への能動的な関与としてとらえる枠組みを提案する。さらに、この枠組みを基盤として、認知を脳内表象の操作としてではなく、身体と環境との動的な相互作用のなかで構成されるとみなすエナクティヴィズムやアフォーダンス理論との接続可能性についても論じる。