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認知科学セミナー/心の先端研究ユニットコロキアム

2018/12/6

日時:2018年12月6日(木) 16:30~
場所:京都大学稲盛財団記念館3階中会議室
講演者:高橋 英之先生(大阪大学大学院基礎工学研究科・特任講師)
タイトル: ロボットに”愛”を実装することは可能か?

 

詳細はこちらをご覧ください。

 

—以下、当日の講演の抄録です—

 

ロボットに”愛”を実装することは可能か?

 

高橋英之
大阪大学大学院基礎工学研究科・特任講師

 

コミュニケーションロボットの研究は、その実用的な機能について探求する工学的な側面だけではなく、心的な要素を備えた存在を人工的に創り出す試みを通じて、「そもそも心とは何か?」、「機械で心を人工的に創り出すことは可能なのか?」という哲学的,認知科学的な思索の題材としても大変興味深いトピックである。今回のトークでは、”ロボットに実装可能な心”、そして”ロボットに実装不可能な心”とは何なのであろうかという素人哲学的考察をいくつかの実験的エビデンスにもとづきまず議論をしたい。そしてこのような議論の延長に、「真に社会に必要とされているコミュニケーションロボットとは何か?」という問いについて会場のみなさまと忌憚ない議論を行いたい。具体的には、「人間(他の動物も?)とロボットの心の特性の大きな違いは、特に個体間コミュニケーションの場の中にあらわれる」、「人間とロボットのコミュニケーションの特性の差分を詩的な表現で形容するとある種の”愛”という言葉で呼べる」、「ロボットには”愛”は実装できないが,ロボットは人間(動物?)同士の関係性に”愛”をもたらす存在にはなれる」などの自分の若干飛躍した主張を当日はお話できたらと思っているので、様々な角度からの厳しい意見を頂けたら幸いである。