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【2023年12月26日(火) 16:00〜17:30】
University College London 太田啓示さん 講演会のお知らせ

2023/12/16

情報学研究科では、12月26日(火)に、University College Londonの太田啓示さんによる、以下の講演会を行いたいと思います。
年末の忙しい時期ではありますが、是非多くの方々にご参加いただければと存じます。
どなたでも参加可能ですので、周囲の方々へもご周知いただければ 幸いです。

 

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太田啓示さん 講演会

 

日時: 2023年12月26日(火)16:00―17:30
場所: 京都大学稲盛財団記念館3F 中会議室

 

講演者:太田啓示 (Keiji Ota)
Postdoctoral Research Fellow, Institute of Cognitive Neuroscience, University College London

 

タイトル:人間の意志と自律的行動 (Autonomous behaviour and the limits of human volition)

 

要旨
人は、環境的な刺激に支配されることなく、自分の意志により目標志向的な行動を生み出すことができる。自律性(Autonomy)とは、内発的に開始される制約のない行動を意味する。人間の意志(Volition)と自律性は、人の心の機能の中核をなすものであり、現代の社会生活において不可欠である。しかしながら、実験環境の設定に基づき、外的なトリガーによって行動を誘発してしまうと、自律的・内発的な行為を生みだすために必要な認知神経的基盤を検討することは難しくなる。本講演では、新たな実験パラダイムを構築し、外的なトリガーと固定的・習慣的な行動という2つの制約から逃れ、行動を自由に選択する際の認知的・計算神経的過程を検討する。例えば、じゃんけんやサッカーのペナルティキックなど多くの対戦課題において、我々は、無作為かつ新たな行為を内発的に生み出そうとしている。本研究では、適応的自律性(Adaptive autonomy)という新しい理論的構成要素を提案し、新奇な行動を迫られたときに、人がどの程度、固定的・習慣的な行動パターンから自由になることができるかを測定する。その上で、人が持つ適応的自律性の能力とその計算神経的過程を紹介する。本講演では、人間の意志や自律性という測定困難な心理概念の一端として、固定観念を回避しつつも環境と協調するような、内発的で柔軟な行動選択の適応過程を提案する。

 

※本講演会は、京都大学人と社会の未来研究院との共催です。
※本講演は日本語で行われます。